新生希エヴァンゲリオン未来の向こう側


第弐拾九話―あの笑顔、もう一度……―



CASE T M・L

カウンター型の使徒が襲来し、その使徒をSStypeが軽々と粉砕してしまってから早くも一週間。
何もしないままこれだけの時間が流れた。
いや、できなかったのだ。
無論、復興作業などは着々と順調に進んでいる。
何もできなかったというのはSStypeのことである。
過去の事例が運よく、いや運悪く見つかった。
十年以上前の、エヴァに取り込まれた人間をサルベージする計画の書類。
過去に三度行われたそのサルベージ計画はことごとく失敗。
いや、正確には二度一応の成功を果たしていた。
「十年以上経ってるってのに計算上での成功確率は10%未満か……」
レンは一人コンピュータを操作しながら呟いた。
しかし、その成功した事例も、一つは被験者に精神的障害を来たし、もう一つは失敗した後にいきなり被験者が現れたらしい。
つまりちゃんと成功したことはないに等しいのだ。
そこにミヨコが入ってくる。似合わず難しそうな顔をしている。
「どう? 何か分かった?」
「まったく何も。でも、エヴァの中から彼が出ていないことは分かっている」
一週間経ってもユウキはエヴァの中から出てこなかった。
エントリープラグ排出信号も拒絶されていた。
それは中からロックすればできる。
しかし、プラグ内のLCLの圧縮濃度を上げれば嫌でも中の人間は苦しむことになり強制的に開けることができる。
それを行っても中の人間つまりユウキの反応はなかった。
むしろ、何故か一週間前から通信がどうやっても繋がらなかった。
よってAB側の人間からはユウキが今どうなっているのか分からなかった。
さらにエヴァの中のエントリープラグ内に本当にいるのかさえその証拠をつかめないでいた。
「一体何がどうなっていることやら……」
ミヨコが見ている画面には現在のエヴァSStypeの状況とこの前の戦闘のときの映像が流れていた。
圧倒的な力を誇示し、振るったSStype。
あの後SStypeは通常の形に戻り活動を停止した。
だが、映像があのまるで天使のような姿をしたSStypeが存在していたことを証明している。
「前にもあったんでしょ? こういうこと」
「ええ、記録ではそうなっているわ。信じられないことに記録書にはエヴァに“取り込まれた”とあるわ」
「取りこまれる? 今稼動しているエヴァにそんなことあるわけ……!」
「今あなたが考えた通り。SStypeは本来廃棄されるはずだった四号機を修復した過去のエヴァシリーズ。搭乗者を取り込むようなことがあっても不思議じゃないわ」
StypeやGtype、BtypeなどはSStypeのコアを解析し昔より進歩した人間の科学力によって旧エヴァシリーズを限りなく近い形で再現したもの。
その性能差はほとんどないように見えるし、スペックでもそうなっている。
しかし、旧エヴァシリーズと新型は違う。未知の部分が多すぎて力など人間では図れないのだ。
「とりあえず今は様子を見ながらこのサルベージ計画を行う準備をするしかないようね……」
そう呟くとレンは使用しているコンピュータに『SStypeパイロットサルベージ計画書』というファイルを作成し、それを開いて作業に取り掛かった。


CASE U R
絶対安静だった私は一部始終をミヨコさんに見せてもらった。
そこに映っていたものは紛れもなくSStype。
見る者を恐怖させるどころか感嘆させてしまうその外見。
でも、正直に言うと、羽が生えたり、絶体絶命の状況で使徒をいとも簡単に倒してしまうことも、全部どうでもよかった。
何よりも乗っているのがユウキ君だということを知らされて嬉しさと疑問が浮かんでは消えていった。
戻ってきた理由はなんなのだろうか? 本当にユウキ君本人の意思なのだろうか。誰かに強制させられたんじゃないのだろうか? ABにだってそういう人間は多数いるだろう。中学生を脅してエヴァに搭乗させるなんてそう難しくないはず。
そもそも、自分は何でユウキ君が戻ってきただけで嬉しいのだろうか?
本心では別れる前に期待していたと告げた。それが彼にとって重荷になると分かっていながら告げた。
ひどい人間だな、私って。
すでに退院して私はSStype……いや四号機がある場所へと来た。
そこには、使徒が来る前と、ユウキ君が出て行く前となんら変わらない四号機があった。
白銀に輝く天使のような姿。神々しいぐらいに輝いていたものは今や、鈍い銀色の光を放つ人形として薄暗い鉄の檻に納まっている。
「こんなところにどうしたの?」
声が聞こえてきた方向を見ると、そこにはミヨコさんが立っていた。
私とは反対側のドアから入ってきたようだ。その表情はあまり優れない。
「どうしたのといわれましても……来る所といったらここぐらいしかなくて」
「ユウキ君が心配かしら?」
当たり前だ。
聞くところによれば使徒を倒してからもう二週間が経過するというのに一向にユウキ君はエヴァから降りてきてなかった。まさか立てこもってしまっているんじゃないだろうな?
十分に考えられる。ユウキ君は高羽さんの所為で自分やROEに参加した人間達は辛い目にあったと言っていた。
脅されて乗ったにしろ、エヴァの中でなら反抗することができる。
だけど、LCLの圧縮濃度を上げれば半ば強制的にパイロットを出すことができるはず。
それをしないということはどういうことなのだろう。
「はい、心配です」
その白銀の、人類の切り札には見えない鬼のような形相の顔を見上げた。
四号機は何も言わず、動くこともなかった。もちろん目に光すら灯らなかった。
エヴァンゲリオン。
一体エヴァとはなんなのだろうか? 本当に人類の味方なのだろうか?
ただ利害が一致するから仕方なく人間の言うことを聞いているということもありうる。
私が乗るGtypeや他の新型のエヴァは作りが根本的に違うからそれはないけど。
SStypeは元は四号機だ。あの旧エヴァシリーズの内の一機。
いきなり暴走して人類を破滅へと導いてもおかしくはない。
そう思った私は思わず白銀の救世主を睨みつけてしまった。
睨みつけられてもそいつは顔色一つ変えなかった。


CASE V S
迂闊だった。
まさか、彼が僕と同程度、またはそれ以上の何かを持っているということ。
完全に考えてなくて、イレギュラーだ。
本来ならばSStypeもミカエルのカウンター攻撃によって人類の希望を全て奪った上でフォースインパクトを起こす予定だった。
だが、あろうことかSStypeもとより四号機はそのアダムのコピーとしての力を解放してしまったようだ。
いやあれは解放させられたといったほうが正しいような気がする。
それは彼の意思なのか別の何かの要因があったのかは分からない。
別の何かがあるとすれば一体なんなのだろうか。可能性としては二つほど上げられるが。
どちらも、僕にとってにわかに信じ難いことだ。
それにしても、考えている以上に僕の記憶を持った彼の存在は大きいということか。
「ふっ……」
僕は自嘲した。
イレギュラーな存在、大きい存在、力の解放。
直接的ではおそらくないとしても、全て僕が彼を野放しにしてしまったことが要因となっている。
行動やその力に興味を持ったから生かしておいたのが逆に仇になったな。
いや、むしろ僕は、彼に昔の自分を重ね合わせているだけじゃないのか……。
彼は昔の僕に比べて行動力や自己決定力がある。
羨ましくないといえば嘘になる。
あのとき、僕にもっと行動力や決定力があればおのずと未来は変わっていたのかもしれない。
だが、そんな考えは今は必要ない。過去の願望ほど無駄なものはない。
僕はポケットから写真を取り出した。
まだ紅の少女が元気で、水色の少女が心を開き始めたころに撮った一枚の写真。
何故僕だけが、この世をのうのうと生きているのだろうか……。
感情をコントロールする術は身に着けているはずなのに、気が付けば写真を握りつぶしていた。
僕もまだまだということなのだろうか。
あれから三十年も経っているというのに。
さて、まあ本命から力を奪えなければ仕方がない。
その周りから削り取れば勝手に自滅するだろう。
人間とはそういう生き物だから。


CASE W Y
殺風景すぎる。
エヴァの中というのは、非常に居心地が悪い。
どこまでも続いているかのような真っ白い景色。
いやエヴァの中なんてないのかもしれないな。
実質的に俺がエヴァの中にいるなんて証拠はどこにもない。
死後の世界なんて誰にも分からないのだからこんな白い死後の世界があっても別段不思議ではない。
つまり、リリスに会ったなんて全部妄想。
本当は世界がもうなくなって、人類も滅亡して、ここはあの世です。
と言われても別に信じられない話じゃないということだ。
でも、あのリリスが言ったことが本当なら俺はそのうちエヴァの外に出られるということになる。
いきなりエヴァに取り込まれて、第二使徒に会うなんて事実より、もうすでに死んでいて死後の世界だという予想のほうが現実味を帯びているんだよなぁ。
信じる信じないは人の勝手ということなんだけど。
「        」
声?
「        」
間違いない。声が聞こえる。
第二使徒リリスのものじゃないとすると一体誰の声だろうか?
聞き覚えのある声だった。
しかしその声もやがて聞こえなくなってしまった。
う〜ん、声が聞こえるから俺はまだ死んじゃいないのかもな……。


CASE X S・Y
シズクは別に悲しんでいるわけではなかった。
無論それは妹のユメミにも分かっていることだった。
感情的な姉のシズクと違い、ユメミは昔から頭がよく理論的な少女だった。
それはエヴァのパイロットに二人が選ばれてからも変わることはなかった。
だからだろうか、ユメミ自身気が付いたらこんなことを言っていた。
「姉さん、意外と平然としてるね……」
帰国子女だというのに箸を自由に使いこなし朝食を取っていたシズクは表情を驚きの表情へと変えた。
きっと、ユメミからそんなこと言われるとは思っていなかったのであろう。
シズクだって馬鹿ではない。
昔から感情的なのは自分で、突っ走る自分を止めてくれるのは理論的なユメミだった。
だけど、突っ走ってもいない自分に何か言ってくることはこれまでになかったことだった。
「意外を毒舌なのね」
だからシズクも少し挑戦的な態度になった。
それに動じず、詫びることもせずにユメミは続けた。
「だって、シズクはユウキさんが好きなんでしょ? エヴァから降りてこないからもっと取り乱すかと思った」
「正直私もそう思ってた……」
「でも、別段騒ぎ立てることも、そわそわすることもないよね」
「私の勝手な予想だけど、たぶんユウキは帰ってくると思うんだよね」
そう言ってシズクはユメミから目線を逸らした。
澄んだ瞳は何も見つめてはいない、だけど焦点が合っていないということではない。
虚空を見つめている。
そんなシズクを見てユメミは追求する気が失せたのかそれ以上の追求をしなかった。


ついに三週間が経過した。
現在エヴァンゲリオンSStypeはケイジに固定されている。
そして首からエントリープラグを排出されている。
ただし、ハッチは開いておらずまだ中にLCL液が満たされている。
そのエントリープラグ、SStypeにはサルベージを行うための探査針やコードが無数に接続されていた。
「サルベージ準備完了しました」
「ご苦労様……いよいよね……」
レンが呟き、珍しくコンピュータの前に椅子を移動させそこに座った。
普段立ったまま指示を出したりコンピュータを操作しているため皆も見慣れていなかった。
それ故に今回の計画の成功率が少ないことも暗示しているようだと皆思っていた。
「こんなんで本当に取り出すことができるの?」
見に来ていたシズクがそう言った。
傍にはレイやユメミもいる。
「サルベージ、スタート……!」
レンの声とともに計器やコンピュータが一斉に駆動し始めた。
辺りに緊張が走る。
『第一ステージに入ります……エヴァ信号を受信。拒絶反応ありません』
「続いて第二ステージに入って」
見守る子供達だが詳しいことは専門用語がありすぎて分からない。
現在状況をちゃんと把握できているのはレンとオペレーターのみである。
いやもう一人いた。それはエヴァ自身である。
『第二ステージクリア。コンタクトに入ります』
そのときだった。
いきなりSStypeの両目に赤色の光が灯った。
「どうしたのっ!?」
ミヨコが叫ぶ。
レンがそれこそかなりスピードでキーボードをタッチしながら怒鳴った。
「大丈夫、ただ起動しただけ……! これならまだ! 第三ステージのレベル4までショートカットしてっ!」
発令所がオペレーターやレンの怒鳴り声、計器の音、警報の音により騒音に包まれた。
ミヨコは思わず息を呑んだ。
起動したということは、このままケイジを破壊して暴れだす危険性も今のSStype、いや四号機にはあるのだ。
しかし、皆の思いとは裏腹に発令所には場違いな音が突然流れた。
『――――――――』
それは計器がゼロを示す音だった。
沈黙に包まれる発令所。
レンの瞳には暗い影が、いやレンだけじゃない、事情が分かっているスタッフたちの目にも暗い影が落ちていた。
「これにてサルベージ計画を終了します。各員は事後処理をお願いします」
レンがゆっくりとそう言うと再び辺りは騒音が支配した。
だが、その騒音はどことなく落胆しているような雰囲気だった。
見かねたミヨコがレンに近寄る。
「どういうこと? まだユウキ君が戻ってきてな……!」
「そうよ、さっきの音聞いたでしょ? 失敗したのよ……」
目線を下に落として申し訳なさそうに呟くレン。
対照的にミヨコや子供達の目は見開かれていた。
ミヨコは怒りを露にして手を振り上げた。
だが、すぐにそれが間違いだと気づくと手をそのまま下に下げて自らも目線を下に向けた。
そして搾り出したような声で
「そう……ご苦労様……」
と伝えて発令所を出て行った。
そのミヨコの代わりか、叫び怒鳴るのはレイやシズク達だった。


さっきから走馬灯のように色々な人の顔が浮かんでは消えていくんだが……。
いや、これ本当に死ぬ間際じゃないだろうな。
「面倒臭いことになってるわ」
再びリリスが現れた。
天下の第二使徒が面倒臭いって……。
思わず苦笑してしまう。
それで面倒臭いことって一体何なんだ?
「あなたをここから出すためにサルベージと呼ばれる作業をレンやミヨコが行った」
「ということはここから出られるということか?」
「力を渡す作業がもう終わるから、あと少し」
そういえばいつのまにかリリスの姿が前より薄くなっているような気がする。
消えるっていうのはそういうことなのだろうか。
次の瞬間にはリリスが目の前から消えていた。
…………力の受け渡しが終わったということだろうか。
と思っていると声だけ聞こえてきた。
「今終わったわ。いつでも出れる」
そうか。
別に悲しいわけじゃない。
でも、なんだこの心にポッカリ穴があいたような気持ち。
たぶん、俺が碇シンジと被るものがあるからだと思うんだけど。
さて、気持ちを切り替えなければ……皆が待ってるんだ。
出方が本能的に分かっていた。
刹那、視界が開けた。
そこはSStypeが安置されているAB本部のケイジだった。
乗る前に着ていた服がLCLのおかげで服にペッタリと張り付いている。
これは気持ち悪い、早くなんとかしなければ。
う〜ん、それよりなんだか柔らかくて暖かい何かに俺は抱きしめられている。
「うぅ、よかった……ユウキ君……!」
抱きしめられる力が強くなった。少し痛い。
周りからは悲鳴やら、歓喜の声が響き渡っている。
確かサルベージとかいう作業をしていたらしいな。
それで俺が戻ってきたからか。ナイスタイミング、俺。
「もう戻ってこないかと思ってた……だからっ!」
へっ?
もしかしてそのサルベージとかいうやつが失敗した後出てきちゃったってこと?
それはそれは、バッドタイミング。
「あの、綾波。少し痛いです」
そう笑って呟いたつもりだった。
すると俺を抱きしめていた綾波は泣きながらバカと何度も呟いていた。
本当に戻ってきてよかった。
また、皆と綾波と話をすることができるから。


CASE Y Y・R
ユウキがエヴァから出てきて二日が経った。
それまではレンや医師による検査や事情聴取なるものが行われていた。
面会それこそ色々な人間がやってきたが今日はレイ一人であった。
そしてレイが面会に来るのもまた初めてである。
「もう大丈夫だって……どこも痛くないし」
愛想笑いを浮かべるユウキ。それが分かっていたからレイも続ける。
「いなくなったと思ったら、戻ってきて……どういうつもりなの?」
レイの言葉は刺々しかった。
エヴァから出てきたユウキを抱きかかえたのはレイだったからユウキも少し油断していたのだろう。
その刺々しい言葉を聞いて顔を引き締めた。
「乗る理由……なくなったんじゃないの?」
確かにユウキのエヴァに乗る理由は、ROEで出てしまった犠牲の原因を知るためだった。
その犠牲はROEを実施している側の気まぐれという取るに足らない許し難い理由だった。
「今俺がエヴァに乗る理由は……ないかもしれない。でも、乗れるからさ……」
レイがはっとする。
その乗れるから乗るという理由はユウキがエヴァを見せられ乗ってくれと頼まれたときにレイが言った言葉だ。
しかし、それは自分が乗れば他の人がひどい目に合わなくて済むという自己犠牲の考えである。
それを言おうとしたレイだがユウキが続けた。
「たぶんエヴァとは切っても切れない縁なんだよ。俺は碇シンジの力を1%もらってるらしいから」
「ど、どういうこと!?」
ユウキはエヴァの中であったことをレイに話した。
リリスという第二使徒に会ったこと。予想される碇シンジの目的。
リリスとしての力を受け渡すということなど、ありのままに。
「にわかには信じ難いね……」
そう言うレイだったが信じてないという顔ではなかった。
ミハエルからもたらされた情報によるとリリスの魂はエヴァンゲリオン零号機のパイロットの綾波レイのものだったということだからだ。
レイは自分が彼女と同じ名前だからだと思った。
「でも、あいつの記憶とか、修学旅行の石碑とか、思い当たることがいくつかあるんだ」
「いきなりSStype動かしたしね……」
「でも、俺が乗る前は綾波が動かしてたじゃないか」
「それはただ、何ヶ月か練習したから。あなたが乗る前はSStypeは言わば汎用機的な扱いだったから」
話が逸れたと感じたのかレイは言葉をつむぐのをやめた。
そのとき場の緊張がほぐれた。
引き締めていたレイの顔が笑みに変わる。そして息を一つつく。
「本当に戻ってきてよかった……」
レイはそう呟き未だに何か考え事をしているユウキに微笑みかけた。
それに気づいたユウキも微笑み返す。
さっきまでにはなかった柔らかい空気に部屋は包まれた。
「俺も戻ってきてよかったよ、ここにさ、もちろんエヴァの中からも……」
「どうして?」
さっきの何故戻ってきたのかという質問とは意図が違っていた。
どうして戻ってきてよかったのかと聞いているのだ。
それが分かったかたユウキは答えた。
「皆にもう一度会えたからさ……あんな一方的な別れ方、やっぱり自分でも馬鹿だったかなって」
恥ずかしいことを言ったと思ったのだろうかユウキは頬を赤く染めて病室の窓のほうを向いた。
そんなユウキをレイはただ、ただ微笑んで見つめているだけだった。



To be continued


衛星軌道上に現れた使徒。
攻撃手段がないABにシュリはある一つの提案をする。
全てが終わったときは彼女は……



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後書き
通常とは違った書き方をしてみました。
それぞれ頭文字を取ったものです。
M=ミヨコ、L=レン、R=レイ、Y=ユウキ、S=シズク、Y=ユメミ
シンジが本編で取り込まれた時とほぼ同じ展開ですね。
違うといえばユウキが目覚めてから会話のシーンがあるぐらいですかね。
物語もいよいよ終盤戦に突入です。