新世紀エヴァンゲリオン
皆が居る未来のために


最終話 君の笑顔とともに


ネルフ・司令室

皆が集まっていた。

今後のことを話し合うのである。

「シンジ君・・・これで使徒はすべて退けたんだったら・・・もう、危険はないはずよね?」

ミサトがにこやかな顔で言う。

オペレーター三人組みも笑う。

だが、シンジや未来のことを知っている人は誰一人として笑わなかった。

「どうしたの?」

「ミサトさん、実はまだ来るんです。ド派手な奴が」

ミサト、アスカ、オペレーター三人組はピタっとおもしろいぐらいに動きが止まる。

「実は、来週に戦自・・・・いや、正確には戦自を則ったゼーレがせめてくるんです。エヴァ量産機を使って」

「エヴァ量産機!?」

アスカは叫ぶ。量産しても意味ないのにという顔をして。

「エヴァ量産機のデータはもう、手に入れているわ」

リツコが言った。ミサトが「どうやって」っといった顔をしている。

「加持君に調べてもらったのよ。戦自に忍び込んで・・・・・ね?」

「その通りさ」

どこからともなくシンジの横に加持が出現する。

まさに神出鬼没である。

「このデータはシンジ君とりっちゃんに渡してある。葛城もあとで見とけよ。作戦立てるのに必要だからな」

「でも、それって同じ人間で争うってこと?」

「そうだよ、アスカ。でも、エヴァ量産機はたぶんすべてダミーデータを使って動いていると思う」

「じゃあ、サザビーの腕は直したほうがよさそうね・・・・」

「フェイスを使わないのなら、直さなくてもいいですけど」

シンジが皮肉めいて言う。

フェイスは黙ってシンジを見ている。

「そうなるとシャウトとシャードの機体が必要だな・・・・」

「ビグ・ザムとアッザムは使えないんですか?」

「あなたとアスカが攻撃したことで爆散しちゃったわ」

「そ、そうですか・・・・・六号機は?」

六号機とはカヲルがパイロットのEMISSARY(えみさりー)という機体である。

機体のメインカラーは銀色で片手にはビームブレイドもう片手には小型シールドと鎖が繋がったようなものが装備されている。これはムチのように使う。

この機体変形でき変形すると背中にあるウイングと両足で双頭の龍のように見える。

「六号機はカヲルが乗るといっていました。ですから新たに作ろうにも時間が・・・・」

「前の大破した機体を使って何かできないかしら?」

「!!・・・・・・・それがいいわね。シンジ君、手伝ってくれる?」

「はい、機体はそれでいいとして・・・・あとはマギですね」

「ああ、それは大丈夫。私がすぐに第666プロテクトをかけるから」

「そうですか・・・あと一つ皆に言っておきたいことがあるんです」

皆がシンジに注目する。

「僕が帰ってきたのは悔やんだからじゃありません。それも少しあるけど、やっぱり皆にもう一度会いたかったからです」

皆が一瞬黙る。

「じゃあ、リツコさん、早く機体を作成しましょう!」

「え・・・・・ええっ・・・そうね・・・・」

シンジは出口へと消えた。

すると皆もどんどん分かれていった。

コンフォートマンション・ミサトの部屋

「アスカ、ちょっち話しない?」

「ええっ、何よ?」

「大事な話だから」

夜、ミサトはアスカとベランダに出た。

「アスカ・・・・あなたシンジ君もだけど・・・・」

「何?」

「死んだら許さないわ」

そのときのミサトの瞳はすごくきつかった。

「な、何よ、急に改まって・・・」

「これは真面目よ・・・・本当に死んだら許さないから!」

「・・・・・」

「今度の戦い予想以上に過酷なものだわ」

「ええ」

「だから、死にそうになったら迷わず逃げなさい!」

「そうじゃないと・・・命がいくつあってもたりないわ」

「分かってるつもりよ・・・・・それに」

「えっ?」

「もし、死にそうになったらあのシンジでも逃げると思う」

「あいつは皆が考えているより強い人じゃない。精神的にね・・・だから」

ミサトは少し唖然とした。

「大丈夫よミサト心配しないで、私やシンジ、レイはこんなところで死ぬようなやつじゃないんだからね!こんなんで死んだら犬死と思ってるから!」

「ふふ、そうね」

「じゃ、おやすみ」

「ええ、おやすみ」

ミサトはアスカが笑顔で部屋に戻るのをみて確信した。

「心配はいらないようね、私も作戦部長としてがんばらなくっちゃ!」

ミサトも新たに気合を入れなおした。

五日後、大破した機体から二体のESが完成した。

一機はシャードが乗る『キュベレイ・インパルス』これはインパルスの上半身と下半身をくっつけて(元通りにして)肩にはキュベレイの大型のバーニアを装備。

さらに背中にはファンネルがついている。砲撃戦が得意。ビームサーベルも一本腰に装備されている。

もう、一機はシャウトが乗る『W・X・Z』これはZガンダムのボディに背中にはウイングガンダムの羽、そしてXのビームソード、サテライトキャノンが装備されている。

変形もできて、機動力が格段にアップする。武装はバスターライフル(ウイングの)シールド、ビームソード、サテライトキャノン。

オールマイティに戦える機体。



七日目

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビ!!!!!

ネルフに突如アラートが鳴り響く。

「マギが何者かからハッキングを受けています!!」

「なんですって?どこから?」

「アメリカのマギタイプ3ほかにもマギタイプだと思われす!」

「リツコ!」

「分かってるわ、ミサト、あとお願い!」

リツコはそう言うと下の階にあるカスパーのハッキング用の機械があるところに向かった。

「チルドレンたちは?」

「大丈夫です。みんな諜報部と一緒にケイジに向かっています」

「そう・・・・・みんながんばって!」

今のミサトは見ていることしかできない。

リツコがいない今ミサトがここの指揮をするしかない。

(司令も副指令もいるんだが・・・)

「全チルドレン、コクピットに入りました!」

「よし!ES全機発進!!」

すべてのエヴァが発射台から射出されていく。

ジオフロント

『皆・・・・・・行くよ!!』

「「「「「「「おう!!」」」」」」」

すべての機体が一斉にバーニアを吹かし突撃していく。

敵は量産型のザクが10機、グフが五機、ドムが三体であった。

『皆、コアを破壊するんだ。そうすれば再生はできない!』

「「「「「「了解!」」」」」」

セイバーはビームサーベルで近くにいたザクのコクピットの部分を正確に貫いた。

そうすると再生せずに爆発する。

『どんなもんよ!・・・・・・!!』

見てみると後ろにザクがサーベルを持って迫ってきていた。

だが、それはどこからともなくビームで打ち抜かれていた。

『いまだ、セカンド!』

フェイスのサザビーによるファンネルの攻撃だった。

『よし!!』

アスカは背中にあるプラズマ砲を脇から前に持ってくると発射する。

するとザクはバラバラに砕け散る。だてに核に似たエネルギーを積んでいるわけではないらしい。

リュウトはZZの額にあるハイメガキャノン砲で三体のザクを一機に貫いた。

『いっけー!!ハイメガキャノン砲!!!』

そしてザクが再生しているうちにシンジやレイ、マユなどがザクのコアを破壊する。

そのとき一条のビームがネルフ本部に向かって発射された。

『ミサトさん!!!』

「!!!」

だが、そのビームをネルフが貫くことはなかった。

そこには謎の機体があった。

真っ黒な機体でどことなくフリーダムに似ていた。

『シンジ!』

『・・・・・・ま、まさか、シンスケか!?』

『そうだ、僕も加勢する』

『どうして?』

セイントラディアンスと新フリーダムが背中を合わせる。

『僕にだって守りたいものぐらいあるさ!!』

『見せてやる!!ストライクフリーダムの力を!!』

羽の青色の部分がフリーダムと分離する。

するとそれらは敵に飛んでいってビームを浴びせた。

『ファ、ファンネル!?』

そして腹部から極太のプラズマビーム砲を放つ。

ザクはすべて爆破する。

『ふっどうだ、僕の力!!』

『みんなどいてサテライトキャノンで一気に吹っ飛ばしてやる!!』

シャウトがそう言った瞬間みんな戦っている敵をひきつける。

そして瞬間的に上に上昇し

『これで、終わりよ!!!』

W・X・Zのサテライトキャノンが火を噴いた。

5体は一気に消え去った。

一機ザクが残っている。

だが、すぐに何者かに切り裂かれた。銀色の機体EMISSARYである。

『カヲル!!』

『お待たせ、シンジ君』

あとはグフとドムだけである。

『あとは俺一人でやる!!』

シンジが皆を制してA,Tフィールド全開でグフ五体とドム三体に突っ込んだ!!

エクスカリバーを二本引き抜き、腰のホーリーを構えていた。

『まず、一機!!』

一体のグフをホーリーで貫く。

シンジは今覚醒している。

『次!!』

近寄ってきたグフをエクスカリバーで貫く。

『二体で挟み撃ちにしても、無駄だ!!』

両方のエクスカリバーで真っ二つにたたっきる。

残り一体のグフはホーリーで粉々にした。

セイントラディアンスの色は金色に変わっている。

リミッターが解除されたのである。

その背中から天使のような羽が片方ずつ六枚、計十二枚の羽が光っている。

ドムがバズーカで攻撃するがセイントラディアンスは軽々と避ける。

その動きに残像が現れドムのレーダーも狂っている。

ドムはまったく違う方向へバズーカを連射している。

『止めだ!!!』

三体並んだドムを一体、二体と真っ二つにして最後の一体のコクピット部分に突き刺した。

シンジはすぐにエクスカリバーを抜きその場を離れた。

最後のドムは爆発した・・・・・・。



敵がいなくなったジオフロントにESが立ち並んでいる。

『終わったの・・・・・・?』

一番最初に言葉を発したのはアスカだった。

『たぶん、終わったんだと思う・・・・』

「皆聞いて」

それはミサトの声だった。

「今、戦自が停戦を呼びかけてきているわ。皆おつかれさま」

『ミサトさん、ゼーレは?』

「司令と加持君から今報告があって『キール議長及びすべてのゼーレは殺した』って」

「とりあえず、皆おつかれさま、速く帰ってきなさい、パーティーよ!!」

こうして後に言われる使徒戦役というものが終わりを告げた・・・・。

この戦いの最後にシンジはこんなことを言っていた。



「俺は生きる!どんなことがあっても・・・・・アスカ・・・・キミの笑顔とともに・・・・・・・!」