新世紀エヴァンゲリオン
皆が居る未来のために


第二十一話 赤き剣


第六ケイジ

そこにはシンジとアスカがある一体のエヴァンゲリオンの前にいた。

「これが、私の新しい機体・・・」

そこにはアスカの新しい機体。セイバーが収容されていた。

その機体は真紅の機体で手にはビームライフルとシールド、肩にはビームサーベル(両肩に一本ずつ)そして背部ユニットにはプラズマ収束

ビーム砲が装備されている。

「どう、アスカ?気に入った?・・・・・・ZGNE−EVA02−SAVIOUR−REVISION−TYPE通称セイバー」

「セイバー・・・・・・剣・・・・・」

「まさしく赤き剣」

「これを本当に私が・・・?」

「ああ、イージスは大破して修理は不可能だから・・・新たな機体を・・」

「機体のスペックみたいなのある?」

シンジはポケットから一枚のディスクを取り出しアスカに渡す。

「パソコンに入れれば見られるから」

「サンキュ〜・・・あ、それとシンジ」

「何?」

「今日、夜大事な話があるから・・・・・」

「えっ・・・・・うん・・・・」

シンジにはアスカの頬が少し紅葉しているように見えた。

コンフォートマンション

葛城家

シンジは夕食の支度をしていた。ちなみにミサトは徹夜のようだ。

「アスカ、何やってんだろう?・・・・・俺があげたデータでも見てんのかな?」

そんなことを考えつつもいつも(?)のように料理を作る。



〜一時間後〜



「いつまで待たせるのよ!!」

シンジが皿を並べているとき不意に罵声が飛んできた。アスカだ。

「ごめん、ちょっと準備に手間取っちゃって・・・・・・・」

アスカが机を見るとそこにはご馳走ともいえる食事が並んでいた。

「・・・・まあ、許すわ」

「?」

アスカが許すのも最もだ。何せ自分の好きなものばかり並んでいたからだ。

「「いただきます」」

その声とともに二人の格闘が始まった。

ハンバーグをどれぐらい速く食えるか・・・。

題して「ハンバーグ早食い決闘」である。

いざ始まるとアスカは食うわ、食うわであっという間に完食した。

そのころシンジはまだ半分である。

「・・・・ねえ、アスカ・・」

「今日も私の勝ちね!!」

「上機嫌のところ悪いんだけど・・・味わって食った?」

「へっ!?」

「だから味はどうだったかって聞いてるんですけど!?」

シンジ君ちょいと切れ気味である。対するアスカは

「えっ・・・・・・・・・アハハ・・・・よく味わってなかったです・・・・・」

なんというか語尾が小さくなっている。

「まったく・・・・別にいいけどね」

シンジは残った半分のハンバーグをゆっくり食べている。

「・・・・ねえ、シンジ」

「何?」

「まだ、ハンバーグ残ってる?」

「・・・・・・明日の分が残ってるけど・・・・・・まさか!!」

「へへ、あたり!!もう一個頂戴!!」

「!!・・・・・・はぁ〜・・・・ったく・・・今度はちゃんと味わって食べる?」

「食べます、食べます!!」

アスカの瞳が輝いている。その顔は誰でも「そんなに食い意地が張っているのか」と思う表情である。

「分かった・・・・・今もってくる」

すると台所に行き明日の分のハンバーグを持ってくる。

それをシンジがアスカの皿に盛るとアスカは待っていましたと言わんばかりに豪快に食べる。

それを見たシンジはしばらく箸が進まなかったという。



〜一時間後〜



夕食を片付けたシンジにアスカが不意に声を掛けてきた。

「ねえ、シンジ・・・ベランダに出ない?」

「えっ・・・なんで?」

「夜景が見たいから」

「・・・・・・分かったよ・・・先に行ってて」

「ええ」

シンジは残っていた皿を片付けたあとホットミルクを入れたカップを二個ベランダに居るアスカに持っていった。



ベランダ

「はい、これ」

シンジはカップをアスカに渡す。

「サンキュー」

アスカは受け取りそっと中身を飲むがすぐに口を離す、「あちっ」と言っているようだから熱かったのだろう。

「ちょっと熱すぎない?」

「そう・・・・・かな・・・・?」

シンジも一口飲むが舌が焼けるような感覚があった。

「熱い・・・・・・な」

「へへ、やっぱりね・・」

シンジは視線をアスカから夜景に移した。

マンションや店の明かりでライトアップさせたような感じの夜景はものすごく綺麗だった。

「きれい・・・・・」

アスカもシンジと同じ感想を持ったらしい。

シンジはアスカのスカイブルーの瞳を見た。そこには夜景が映っておりいつもより輝いて見えていた。

「ん?どうしたの?」

「えっ・・・・あ、いや・・・なんでもない・・」

「そう・・・・・」

しばらく二人の間に沈黙が流れた。

その沈黙を破ったのはアスカだった。

「ねえ、この前さあ・・・・私のこと好きって言ってくれたじゃない?」

「うん////」(///=頬が赤くなっている)

「私でいいの?」

「えっ?」

その瞳には涙が浮かんでいた。

「本当に私でいいの?」

「うん、っていうかアスカじゃなきゃいやだ」

アスカは俯いた。涙を見せまいとしていることがシンジには容易に理解できた。

そんなアスカをシンジは抱きしめるような感じで胸に引き寄せた。

栗色の髪を優しく撫でる。

「泣いてもいいんだよ・・・アスカ・・・」

「でも・・・」

「いいの!アスカはもうたくさんがんばってきたじゃないか・・・・だから、もういいんだ。泣いて・・・」

『泣いていい』それはアスカが今まで言われたことのないことだった。

アスカはその後シンジの胸の中で泣いた。泣き続けた。

しばらくしてアスカは顔を上げた。そして微笑んだ。

アスカの頬に涙が一筋流れる。シンジはそれを優しく拭う。

「俺が君を守るから・・・・・・・・だから、アスカは自分に素直でいて」

「・・・・うん・・・・・・・」

アスカとシンジはどちらからでもなく唇を重ねた。



次回予告

アスカ以外にも最新鋭の機体がそろったパイロットたち。

だが、喜ぶ間もなく新たな使徒が現れる。

それは悲しき過去の象徴だった・・・・。

次回 第二十二話 悲しみ

悲しみを捨てて新たな世界に飛びたて!!セイバー!!