新世紀エヴァンゲリオン
皆が居る未来のために


第十八話 聖なる輝き


赤い世界



赤い・・・・・何もかもが赤い・・・・・・・・・



すべてが・・・・・・・血のように・・・・



真っ赤だ・・・・・・・・



「また、戻ってきたんだ・・・・・・・・・・この世界に・・・・・・・」





「結局俺は・・・・・何も変えられなかった・・・・・・・・」



『それは違うわ・・・碇君・・・・』



「・・・その声は綾波だね・・・・・」



『ええ』



「・・・・・・・ごめんね・・」



『何故、誤るの?』



「俺は君を・・・・向こうの世界の綾波を幸せにできなかった」



『まだ、間に合うわ』



「えっ!?」



『向こうの世界では丁度ゼルエルが襲来してくるところよ』



「あ、あいつが!!」

シンジの脳裏にエヴァ二号機の両腕と首を持っていき零号機までも大破に追い込んだ、あの使徒の記憶がよみがえってきた。



「み、みんなが危ない!!」



『・・・・だから、新たな力をあなたに預けるわ・・・・・・』



そう綾波の言葉が聞こえるとロンギヌスの槍のような物が刺さったかつてのエヴァンゲリオン初号機が現れる。



『それをあなたの力を使って強化するのよ』

その声と同時にシンジの周りに白いオーラのようなものが漂う。



「これは?」



『それは『創造の能力』よ。それがあれば『物』すべてが作れるわ』



「ありがとう・・・・・・」



シンジにはそのとき何もない空間に綾波レイの照れている顔が見えたという。

「よし、はじめるか!!」

シンジは作業に取り掛かった。



ネルフ

シンジは赤い世界で作業を進めているころネルフにはもう最強の使徒ゼルエルが出現していた。

「22枚ある特殊装甲を一瞬にして・・・・・・」

第一発令所は使徒のその強さに恐怖の表情を露にしていた。

「くっ!!・・・相手はこれまでにない最強の使徒!!・・・・・キュベレイ発進後、ローエングリン砲台準備!!」

「了解、ローエングリン砲台準備!!」

フェイスただ一人が発進する。

その白い巨大な機体が今のネルフでの唯一の希望だ。

「わたしにすべてがかかっているというわけか・・・・・・」

『フェイス君?』

「なんですか?葛城一尉」

『目標はネルフの22枚ある特殊装甲を一瞬にして破壊したところを見るとキュベレイの装甲がもたないわ。一発でも喰らったら終わりよ』

「了解しました」

フェイスはファンネルをすべて出すと両手を突き出し戦闘態勢に入る。

「ははは・・・・・・少しは楽しめそうだ!!」

フェイスは使徒を射程距離内に入れるとトリガーを一気にひく。すると手首からのビーム砲とファンネルの九つのビーム砲が一気に火を噴く。

それはゼルエルに全弾命中する。

「どうだ・・・・・・」

だが、ゼルエルは諸ともしないように進撃を再開する。

「やはり、駄目か・・・・・・・だが、あいつが来るまで足止めだけはしておかないとな・・・・」

はたしてフェイスの言っている『あいつ』とは一体誰なのだろうか・・・・・・。

ゼルエルはキュベレイの11門もの一斉射撃に耐えている。その時突如ゼルエルの顔の目のようなものが光った。

それは光線のようにキュベレイに飛んでくる。

だが、フェイスは機体を横っ飛びさせそれを避け再び一斉射撃を開始する。

「ちっ、速く来い!!・・・・速く来い!!・・・・セラフィム!!」

赤い世界



「できた!!」

シンジはエヴァンゲリオン初号機を改造し新たなエヴァンゲリオンを作り出した。その機体の顔はエヴァ初号機のもの。

肩はインパルスの肩にビームブーラメンを装備したもの。

さらに両足にはビームブレイドが装備されている。

パーソナルカラーは青と白。武装はシールドとビームライフルと背部ユニットの翼に仕込まれている対艦刀『エクスカリバー』が二本。

さらに腰部に『ホーリー』と呼ばれるプラズマ収束ビーム砲(ローエングリンと同じ)。

そして翼は展開することによりビームウイングとなる(ビームサーベルと同じ原理)。

この機体には『核』なみのエネルギーを持ち爆発しても核並みの爆発を起こさない『ニュートロンパワーソウレイス』というものが積まれている。

「これがあれば・・!!」



『碇君・・・・・』



「綾波・・・・・?」



『勘違いしないでね・・・私があなたに力を上げた理由は・・・』



「分かっている・・・・・・守るために力が必要だったからだね」



『ええ、いってらっしゃい・・・』



「いってきます!!」

シンジは時空に穴を開けそこから前の世界に戻った。

その後赤い世界はひびが入っり崩れ落ちた。

ネルフ本部

第一発令所


「使徒は最終装甲版を破壊!!・・・・・突破して現在セントラルドグマを降下中です!!!」

「ここに来るわ!!総員退避!!」

だが、それは遅かった。ゼルエルは上半身だけを第一発令所に貫通させ光線を放とうとしていた。

ゼルエルの目に光が灯った。そこにいた皆がもう駄目かと思った。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

突如聞き覚えのある叫び声とともにゼルエルの体にビームが貫通した。

ゼルエルが上を見るころにはシンジの新たな機体『SAINT RADIANCE(聖なる輝き)』の名を持つエヴァがエクスカリバーを持ってゼルエルに突き刺した。

そのまま翼を展開してジオフロントの森に落っことす。

コアを完全に貫けなかったのかまだ、ゼルエルは生きていた。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

シンジはエクスカリバーを二本とも抜きさらに両足のビームブレイドと翼のビームウイングを展開する。

それはまるで羽を広げた天使の中でも最高位と呼ばれる熾天使『セラフィム』を連想させるものだった。

ゼルエルは光線を放ちシンジに攻撃を仕掛けるがシンジはA.Tフィールドを発生させそれを受け流しホーリーを発射する。

それがゼルエルの顔を貫くがコアを破壊されていないため負けずと両手のトイレ○ト・ペー○ーを連想させるようなもので攻撃を仕掛ける。

「そんなもんでー!!!!」

シンジはエクスカリバーを二本使いそれを斬る。

「もらったぁー!!!!!」

攻撃方法を失ったものに攻撃力はない。シンジはエクスカリバーで止めを刺した。

爆発のあとには白くまた、青く輝く聖なる輝きの名を持つシンジの機体が立っていた。



次回予告

新たな機体を持ちシンジは再びこの世界へと戻ってきた。

それと同時にネルフではある計画が動いていた。

次回 第十九話 二人・・・