新世紀エヴァンゲリオン
皆が居る未来のために


第十四話 使徒の正体


第一発令所

「それで、あの人間のような使徒はどうなったの?」

「今は特別病棟で眠っているわ、でも、あんなの拾ってきてどうするのかしらシンジ君は」

このミサトとリツコの会話から分かるとおりシンジは倒した・・・というよりか退けた人間型の使徒を連れて帰ったのだ。

特別病棟

シンジは一人使徒がいる病室に居た。

「まだ目を覚まさないのか・・・・・」

シンジは一人考えていた。

(何故こいつらは俺が時を遡って来たことを知っているんだ)

(それに・・・・・まあ、いいや・・・目を覚ましたら聞いてみるか)

するとビグ・ザムを操っていた方が目を覚ました。

「ここは・・・・・?」

「ネルフの病室だ・・・」

「き、貴様は・・・・・ぐっ!・・・・・くっ・・・・・」

「お、おい動くなよ・・・・・・まだ、傷が治りきってないんだから」

「ふっ・・・・・・き、貴様に助け・・・・・られる・・・とはな・・」

「単刀直入に聞くが何故だ?」

「なんのことだ?」

「何故俺があの赤い世界からときを遡ってきたと分かるんだ?」

「・・・・・・・・」

使徒はとっさに上を見た。そこには監視カメラがあった。

「大丈夫、父さんに頼んでここだけカメラの電源ついてないから・・・」

「そうか・・・・・・・・・私が使徒として現れたのはあるお方に頼まれたからだ・・・」

「誰だ?」

「タブリス・・・・・と呼ばれ・・・・またの名をカヲルと名乗った・・・」

「か、カヲル君が!?」

「そうだ・・・・わたし、ノーセルと隣で寝ているイーステルの二人で貴様たちネルフと呼ばれるものの力を試せとおっしゃられた」

「何故、そんなことをしたんだろう、カヲル君は・・・・・」

「我らにもその真意は分からん、だがこうもおっしゃっていた。『そこで君たちに滅ぼされるのなら再び過ちを繰り返してしまうだろう』と」

「ほかに何か言っていなかった?」

「そして最後に『もし、君たちが倒され、なお君たちが滅んでいなかったらセラフィムに加勢してくれ』と言っていた」

「セラフィムって?」

「分からん、おそらく、貴様のことだろう、アダム・・・」

「だけど神話ではアダム=セラフィムにはなってないだろう?」

「それは表での話し・・・・裏ではアダム=セラフィムそして、リリス=ルシフェルとなっていた」

「・・・・・・・・・・」

「俺が・・・セラフィムか・・・・・・・・・あの大天使の・・・・・・」

「とりあえず我々は貴様を加勢することになる」

すると誰かが入ってきた。フェイスだ。

「使徒は目を覚ましたか?」

「ああ、見ての通りだ」

「貴様は誰だ?」

「俺は南川フェイス・・・・・・またの名をドラグエル」

「貴様が・・・・カヲルの言っていたドラグエルか・・」

「シンジ・・我々は使徒に似た力を持っていると前に言ったよな?」

「あ、ああ」

「それは何故似た力かというと渚カヲル、タブリスにより作られし、命だからだ」

「そうだったのか」

「わたしに与えられた使命は碇シンジ=アダム=セラフィムに力を与えることだった」

「俺に?」

「そうだ・・・・・そしてその使命を果たした時はもう消える運命だった。だが、その運命の誰かが故意に捻じ曲げた」

「赤い世界のリリス?」

「たぶんな、そのリリスはいずれシンジ・・・・汝の前に現れるだろう・・・・・それが敵か味方かは分からんがな」

「ああ、覚えておくよ」

そうシンジが呟くとアッザムを操っていた方の使徒が起き上がった。

「ここは、どこ?」

女性のような高い声だった。

「ネルフの病室だ」

「ふ〜ん・・・・・・・・に、人間!?」

「イーステル、タブリスの言葉を忘れたのか?」

「人間に加勢しろって言うんでしょ!?・・・・私は嫌よ!!」

「じゃあ、このまま消滅するか・・・」

「それもいや!!」

「ノーセル、消滅ってどういう意味・・?」

「アダムよ・・・・後にしてくれ、今はこいつを黙らせる」

「ちょっと、コイツってことはないでしょ!!」

「コイツで十分だ。とにかく消滅するのが嫌ならばアダムに加勢するんだな」

「ぶー・・・・・・分かったよ・・・・そうする・・・・」

ノーセルは使徒とは思えない笑顔でイーステルに笑いかけた。

「アダムよ、消滅とは我らに課せられた使命を終えたらその時点で存在が消えるつまり消滅するのだ」

「そうだったのか・・・・」

シンジはフェイスに向き直り。

「とり合えず俺に加勢してくれるって言うんだったら一応ネルフに入ってもらったほうがいいよな?」

「われに聞いているのか?」

「もちろん」

「・・・・・・・・まあ、ネルフに入ったほうがことを運びやすいを思うが・・・・」

「じゃあ、父さんに頼んでみますか!!」

後にシンジは司令室に行きこのことをゲンドウに報告。

かくして使徒の二人はビグ・ザムを操っていたほうが『北村シャード』アッザムを操っていたほうが『東島シャウト』という名前でネルフの予備パイロットとして登録された。

次回予告

久々の休日を楽しむこととなった。ネルフメンバー。

だが、シンジの表情はどこか悲しげだった・・・・・・。

次回、第十五話 ぬくもりをその唇に・・・