新世紀エヴァンゲリオン
皆が居る未来のために


第十二話 計画実行!?


シンジとアスカはブリーフィングルームに来ていた。

というよりも呼び出されたというのが確かだが・・・・・。

「今日、二人に集まってもらったのはほかでもないわ」

「一体なんなのよ・・・しかも私とシンジの二人だけ・・・」

「確かに、一体なんなんですか?」

ミサトは『コホン』と咳払いをして

「よく聞くのよ、あなたたちには二人で協力して一週間後の使徒戦で目標を殲滅してもらいます」

「それだけ?」

「それだけ」

「な〜んだ、じゃあ、もう帰っていいの?」

「いいえ、今から行くところに着いてきて」

そう言われシンジとアスカは歩き出すミサトに着いていった。

計画実行部屋!?

「何ここ?」

「どう見てもただのベッドが二つある部屋にしか見えないんですけど・・・」


「そうよ、あなたたちにはここで使徒戦まで一緒に生活してもらいます」

「「え〜!!」」

シンジは一応分かっていたことだが驚かずにいると何か文句を言われそうなので(特にアスカに)驚くことにした。

「じょ、冗談じゃないわ!!私たちはまだ中学生よ!!」

「それはシンジ君だけでしょ。あなたはもう大学出てるじゃない」

「そ、それはそうだけど・・・・・・・・じゃなくて!!男女七歳にして同棲せずって言葉知らないの!?」

「もちろん、知ってるけど・・・・とにかくあんたたち二人はここで生活してもらうの!!命令拒否は認めませんから!!」

「そ、そんなこと言ってるけど・・・・・」

アスカはミサトの近くへ行き耳元で

「もし、シンジが私によなよな襲ってきたらどうするのよ・・・・」

「大丈夫よ・・・・・・シンジ君にそんな度胸ないから・・・・」

「本当・・・・?」

ミサトはシンジの方を向くがすぐにアスカの方を向いて

「た・・・・たぶん・・・・」

「はあ〜本当に大丈夫かな・・・・・・」

「ええと・・・・一応必要なものはそろえたつもりだけど何かあったらそこにある電話を掛けて」

かくしてこのある意味恐ろしい計画がスタートした。

計画実行1日目

「それにしてもあんたはよく平気よね〜」

「えっ・・・・何が?」

「何がって・・・・この計画のことよ」

シンジはPCを弄っていてアスカはベッドに横になりシンジの様子を見ている。

「何やってんの?」

「・・・インパルスのOSをちょっとね・・・」

「ふ〜ん・・・・・・・あの使徒のこと何か分かった?」

「いいや、MAGIでも分かっているのは攻撃方法と姿かたちだけで・・・まだ何にも・・・」

「攻撃方法は・・・・」

「ビグザム(緑色の方)は大型ビーム砲と全方位に攻撃ができるビーム砲、アッザム(紫色の方)は42門の大砲だってさ」

「アメリカの奴等もよくもあんな物を作るわよね・・・・・」

「まったくだ・・・・・・それに使徒に乗っ取られるなんて」

「ミサトは一体、どんな作戦を考えたのかしら?」

「さあ、『まだ、考えてない』っていうオチかもな」

「それじゃあ、シャレにならないわ・・・・」

計画実行二日目

「シンジ」

「ん、何?」

「あんたこの前私に聞いたわよね『何故エヴァに乗るの?』って」

「うん、聞いたけど・・・・それがどうかした?」

アスカは俯きこうつぶやいた。

「私はあれから少し考えたのよ・・・・・・何故、私はエヴァに乗っているのかって・・・」

「『自分の存在を皆に知らしめるためって言ってたけど・・・・・』

「うん、でもシンジが『俺は皆が笑っていられる未来のためにエヴァに乗っている』って言ったからもう一度よく考えたの・・・自分がエヴァに乗る理由を・・・」

「私は早くに母親をなくして・・・・すぐに今の義母に育てられたんだけど・・・・・」

「私はその人を母親として見なかった。いいや、上っ面だけはそういうそぶりを見せていたけど正直母親なんて思ったの一度もなかった」

シンジは黙ってアスカの言葉を聞いている。

「そして、私はエヴァンゲリオン弐号機のパイロットとして戦闘訓練を受けて大学にも行って・・・・・正直とてもつらかった。誰にも頼ることさえできなかったもの」

「惣流、それは違う」

「何が違うって言うのよ」

「誰にも頼ることができなかった?・・・・・・頼らなかっただけじゃないのか?」

「・・・・・・」

「それとも頼る術を知らなかったの?」

「だ、だって・・・・・違うことで手一杯で・・・・それで・・・・!」

「でも、頼らなかったのは事実でしょ」

シンジは少しきつめに攻める。

「惣流は自らみんなとの接触を避けてただ一人で進もうとした。違う?」

アスカは俯きながら無言で首を振る。

「でも、人は一人では生きてはいけないんだよ・・・・・・・分かるだろ・・・・」

「うん・・・・・」

その頷きの声を聞いてシンジはふと思いアスカの顔を覗き込む。その顔・・・いや、瞳からは大粒の涙が溢れていた。

「あ、ご、ごめん・・・・ついえらそうに・・・・言っちゃって・・・・」

「うんうん、いいの・・・・・・シンジの言ってること正しいから・・」

「でも、」

「それに、今は私は一人じゃないから!!」

「えっ・・・・?」

「レイもいるしヒカリもいるし・・・・・なによりシンジがいるし!!」

「うん・・・・・・・・って俺!!!???」

「か、勘違いしないでよ!!べ、別にシンジのことをどう思ってるとかじゃないからね!!」

「ああ、分かってるよ!!」

シンジは満面の笑みを浮かべながらアスカの瞳をまっすぐ見ていた。



第一発令所

「は、はっくしょん!!」

「ちょっと、大丈夫なの!?ミサト?」

「うん、平気、平気」

「しかし、葛城も考えるよな・・・・・まさか、あの二人に同居させるとは・・・」

「二人の仲を少しでも良くしないとこの作戦失敗するわ」

「で、その作戦は・・・?」

「ええ、ちゃ〜んと考えてあるわ、日向君、図を出して」

「はい」

その図には目標とネルフ本部、そしてAEGISとIMPULSEが映し出されていた。

「まず、ネルフ本部に設置されている『A.Tフィールド発生装置』を目標に照射

次にブレードを装備したIMPULSEが目標二体を『ラグナロク』で攻撃目標を撃破

そして最後にAEGISのスキュラ砲で目標の内部を破壊、目標を殲滅します」

「あんな大きいのをどうやって『ラグナロク』で撃破するのよ?」

「レーザー出力最大でやればなんとかなるわ」

「無理よ、『ラグナロク』がそのエネルギーに耐えられないわ」

「二本とも二撃まで耐えられればいいわ。その事はなんとかして」

「はあ〜分かったわよ・・・・作戦部長さん・・・・」

「決まりね・・・・以降この作戦を『スピットブレイク』と呼称します!!」



次回予告

ついに発動されたスピットブレイク

だが、その先に待っていた物とは・・・・・・

次回、第十三話 作戦発動と使徒の正体