新世紀エヴァンゲリオン
皆が居る未来のために


第十一話 その力は何のため・・・・


ブリーフィングルーム

戦闘のあとここブリーフィングルームではシンジ、アスカ、フェイス、冬月、加持が作戦の反省のようなものしていた。

「本日1400、紀伊半島沖で巨大な二体の移動物体を発見」

マヤの報告に連動してモニター画面の映像が使徒の映像へと変わる。

「同日1500よりエヴァンゲリオン、IMPULSE、ZGUNDAM、QUBELEY、AEGISの四機がこれを迎撃」

エヴァが使徒と戦っている映像に変わる。

「しかし、同日1530目標の撃破を断念、1545、国連軍によるNN爆弾投下によって目標は組織の20%焼却に成功」

「やったの?」

モニターの正面に座っていたアスカがつぶやいた。

「足止めに過ぎん、再度進行は時間の問題だな」

「まあ、新たな作戦の練り直しの時間があるのはもうけもんですよ」

冬月のどすの聞いた声に加持がフォローするかたちで言葉をいれる。

「いいかね、パイロット諸君、君たちはの仕事は?」

「エヴァの操縦」

「使徒の殲滅」

シンジとアスカが同時に答える。もちろん後者を答えたのはシンジだ。

「シンジ君の言うとおりだ。こんな醜態をさらすために我々ネルフは存在しているわけではない」

「そのためにはもっと諸君が協力し合わなければならない」

「はい」

「誰がこんなやつと!!」

「・・・・・・サード・チルドレンはあとで司令室まで来るように」

「・・・・・はい」

「これにて解散する」

冬月がそう言って出て行ったあとブリーフィングルームに明かりがともった。

その瞬間アスカがいきなり怒鳴った。

「どうしてみんなすぐに怒るの!?」

「大人は恥をかきたくないからさ」

加持が即答する。

「・・・・・・・・それよりミサトは?」

「後片付け、責任者は責任取るために存在するんだからな」

ミサトの部屋

ミサトの机には何がなんだか分からない書類がごちゃごちゃに詰まれていた。

「大変ね、ミサトも・・・・はい、これUNからの被害報告書」

「ただの文句の間違いでしょ・・・・・・・」

「くびになるところだったわよ、使徒を一週間押さえ込むのに成功しなければ」

「ほんと、危ないところだったわ」

「次失敗したらほんとに首ね」

「・・・・・あと、一週間か・・・・・・・必ず作戦をおもいついてやるわ・・・・使徒は私が倒す」

「・・・・実際倒しているのはシンジ君たちよ」

「でも、作戦を考えたり命令したりしているのは私だわ」

「どうかしらね・・・・・・ほんとはシンジ君一人でも使徒は倒せるんじゃあないかしら・・・・」

「どういう意味よ」

「さあね、実際にシンジ君に聞いてみたらどうなの?・・・・・」

ミサトには最後までリツコの言ってる言葉の意味が分からなかった。

司令室

シンジは冬月に呼ばれたので司令室に来ていた。

「シンジ、今日はお前に見せたいものがあってきたんだが・・・」

「何?」

「これだ」

そう言ってゲンドウはA4の紙が数枚束ねてある書類のようなものを渡す。そこにはこう書かれていた。

「E計画・・・・・・・・・・父さん!!」

「なんだ?」

「なんでE計画の書類があるんだよ、中止したんじゃないの?」

「まあ、落ち着けシンジ、MAGIに入れておくから後にでも見ておけ」

「・・・・分かった・・・」

「じゃあ、それだけだ。かえってゆっくり休め」

「はい」





























俺の力は一体なんのためにあるんだ・・・・・・・・





シンジはブリーフィングのあと自室に戻り一人考えていた。



シンジの頭にはこっちの世界に来る前のレイの微笑んでいた顔が浮かんだ。





『私のことも幸せにして・・・・』





「ちくしょう・・・・今の俺じゃ・・・・無理だよ!!・・・・・・あんな使徒を一回で倒せないなんて!!」





『私の力をすべて与えよう』





「もっと大きい力がほしかった!!・・・・・・この世のすべてを超越した力が!!」





そう、彼は欲したのだ。すべてを超えし力を。





(だけどそんなもの手に入れてどうするんだい?)





「決まってるだろ!!あの使徒を・・・・・いや、これから現れるすべての使徒をねじ伏せて!!みんなを守りたい!!」





(だけど、その力が拒絶されたらどうするの?)





「いいんだ!!・・・拒絶されてもみんなを守れれば!!」





(嘘だね・・・・・本当は拒絶されるのが怖いんでしょう)





「違う!!俺は何にも恐れてない!!何にも怖くなんかない!!」





(そうやって自分のことを否定していると次は自分が否定されるんだ)





「うるさい、うるさい、うるさい!!」

「もう、ほっといてくれ!!!」





(・・・・・・・また、逃げるんだね・・・)





「逃げる?・・・・・・俺は・・・俺は逃げてなんかいない!!」





(君は逃げてるよ・・・・・何にも恐れていないと自分のことを否定する自分から逃げているんだ!)





「逃げてなんかないよ!!・・・・・そうだ、一体・・・僕はなんのために力を欲したんだ?」





(・・・・・・・・・・・・・・・・・)





「確かに僕はあの世界で力を欲した・・・・・でも、なんのため?こっちの世界に戻るため?・・・・いやそれもある・・・でも・・・・」





(ほらね・・・・やっぱり・・・・力はただ自分の私利私欲のために欲したんじゃない・・・)





「そうだね・・・・そうかもしれない・・・・」





(・・・・・ほら・・・まだ逃げてる・・・・)





「えっ・・・・?」





(私利私欲のために力を欲したのなら・・・・君はまた逃げてる・・・)





「何から逃げてるっていうんだ!!」





(何のために力を欲した理由から逃げている・・・・)





「欲した理由?・・・・それは私利私欲のため・・・・・・・?」





そのときシンジの頭にはある顔が浮かんだ。髪の毛のは栗色で瞳はスカイブルーのはつらつとした、でも本当はさびしがりやの少女。





「そうだ・・・・・・僕はアスカを・・・・・アスカを守るために還ってきたんだ!!」





(やっと自分の力を欲した理由と向き合ったね)





「そうだ・・・・君は誰?・・・・・さっきから俺と会話をしていた・・・」





(僕はあっちの世界の碇シンジさ)





「あっちの世界・・・・・・・・って赤い海の世界?」





(その通り・・・・・正しくはあっちに残った君の本当の気持ちがつまった心さ)



「俺の本当の気持ち・・・・・・・」





(その通り・・・・・・・僕はもう疲れた・・・・・・・・そろそろ眠りたい・・・・・・)





「ああ、俺に気づかせてくれて・・・ありがとう・・・・君が出てこなければ・・・・俺は過ちを繰り返したかもしれない・・・・」





(・・・・・・君が気づいてくれてよかった・・・・・・)





そう言うともう一人のシンジは消え去った。





「俺はもう・・・・・・迷わない!!・・・」





「守るって決めたんだ!!今度こそ・・・・・・絶対に!!」





次回予告

二体の使徒を撃破する作戦は立案されそれを決行するのはシンジとアスカ・・・・・・。

だが、この二人の相性はものすごく悪かった。

そこでミサトはある計画を実行した・・・・・。

次回、第十二話 計画実行!?