新世紀エヴァンゲリオン
皆が居る未来のために


第七話 心


シンジは朝妙な物音で起床した。

「一体なんなんだろう?」

シンジは制服に着替えたあと隣の部屋を見に行った。そこにはツインテールのどこかで見たような少女がいた。

「き、君は確か・・・・・」

「うん、綾波マユだよ、お兄ちゃん」

にっこり微笑むマユを見てシンジは

「う〜ん・・・・・・・・何でここに!!!???」

「何でってここに住めってお父さんに言われたから・・・・」

「お父さんって?」

「碇司令にだけど・・・・」

「それに今日はお姉ちゃんが退院の日だから」

「えっ綾波が!?」

「綾波がって私も綾波なんだけど・・・・・・」

「あ、そっかレイが今日退院するのか・・・・・行ってみるか・・・」

「ええ、でもお兄ちゃん、学校は?」

「そんなもんはあとでいい!!」

「よ、よくないんじゃないの?」

「いいの!!」

「そ、そう、私は学校行くけど」

「せっかくお兄ちゃんと一緒に初登校しようとおもったのに」

「初登校?」

「うん、私、まだ学校一回も通ってなかったから」

「う〜ん、だったらリュウトと行けば」

「え、西口君と?」

「うん」

「そうだね、そうしよう」

その後シンジはすぐに病院に向かった。

レイの病室

シンジはドアをノックし返答を待った。

『誰?』

中からいかにも優しそうな声がした。

「えっと碇だけど・・・・」

『どうぞ』

そういわれてシンジは中に入るとそこには荷物を纏めているレイの姿があった。

その姿を見た途端シンジの脳裏にある光景が浮かんだ。



自分の顔を思いっきりひっぱたくレイ

加粒子砲から初号機を守る零号機

ゼルエルに爆弾を持って自爆する零号機

アルミサエルの攻撃から初号機を守るために使徒を巻き込み自爆する零号機

タンクの中に無表情で浮かぶレイのコピー




「くっ・・・・・・」

突然俯いてしまったシンジにレイは

「どうしたの碇君?・・・・じゃなくてに、兄さん?」

照れくさそうに自分のことを兄と呼ぶレイを見て涙が溢れてきた。

(次はあんなことがないように守ってみせる!!)

「ど、どうしたの・・・私なんか悪いことした?」

シンジは首を左右に振る。シンジはレイの目の前まで来ておでこに手を当てて

「ど、どうしたの、兄さん////」

「少しじっとしてて・・・」

シンジは前の世界で起こったことを全てをこの世界のレイの頭の中へ送り込んだ。するとレイは頭を抱え

「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

と叫びベッドに顔を埋めて声を出しながら泣いていた。シンジはそんなレイを見てレイを起こし自分の胸に顔を埋めさせて頭を撫でた。

「うぅ・・・ひっく・・・・・・・に、兄さん」

「レイ、ごめんな。だけど今レイの頭に送った映像は全て俺が体験してきたことなんだ。」

「う・・・・・・うそ・・・・!?」

「本当なんだ、俺は未来を変えるために戻ってきたんだ」

「手伝ってくれるよな?・・・・・レイ・・・」

レイは何も言うことなく頷いた。

「マユには・・・・・・・こ・・この・・は・・話・・・し・・したの?」

少し涙声になりながらレイは言った。

「まだ話してない、リュウトにも・・・・でも、いずれ話すこときがくるかもしれない」

シンジはレイを体から離し

「帰ろうレイ、マユが待ってるよ」

「うん!!」

そのときの笑顔はシンジが見たレイの始めての満面な笑顔だった。



次回予告

新たにセカンドチルドレンが日本にくるようになった。

シンジは少しだけ恐れていた。この事態に・・・。

次回、第八話再会

新たな世界で活躍せよ アスカ