新世紀エヴァンゲリオン
皆が居る未来のために


第三話 語られる残酷な過去


シンジは司令室に来ていた。

「では、まず質問するがお前は一体何者だ?そもそもお前は本当にシンジか?」

「俺は正真正銘碇シンジです。そして・・・・・」

シンジは手を差し出して黒い色の八角の壁のようなものが現れる。

「そして、サードインパクトが起きた世界から使徒に似た力を持って返ってきた碇シンジでもあります。」

「A.Tフィールドか!?」

「少し違います。俺が居たサードインパクトが起きた世界にフェイスと名乗る龍にみたいな生物が俺に使徒に似た力をくれました」

「・・・・・・」

「その力を二年間で基本と応用を独自に学び時空に切れ目を入れてそこから時空の中へ入りこの時代に戻ってきました」

「・・・・・お前が元居た世界で私はどうなったのだ?」

「父さんは俺に一言詫びた後・・・・皆と同じ運命をたどりました」

「同じ運命?」

「そうです。心の壁であるA.Tフィールドが崩れて人の自我境界線をなくして世界と全ての人類は一つになった」

「お前はどうなったのだ?」

「俺は・・・・その皆が融合している世界を拒否してアスカ・・・・・セカンド・チルドレンと一緒に赤い世界にいました」

「新世紀のアダムとイヴのように・・・・・」

「私はユイに会えたのか?」

「・・・・さっきも言った通りだから会えなかったと思う・・・・・」

「父さん・・・相談があるんだけど」

「なんだ?」

「人類補完計画の事なんだけど・・・」

「ああ、そのことか・・ユイに会えなければこんな計画無意味だ。すぐに中止する」

「ありがとう、父さん」

「それとこの話はリツコさんだけにしといてほしいんだけど・・・」

「なぜだ?」

「あんまり多くの人だけに話すと説明するのが厄介だから・・・・・」

「わかった」

「あともう一つ」

「なんだ?」

「IMPULSEのことなんだけど・・・なんでビーム兵器が存在しているの?前の世界では大量のエネルギー消費が原因ですぐに製作を断念したって前の世界のリツコさんが言ってましたけど・・・・・」

「それは南極で見つかったアダムと呼ばれる存在とこのジオフロントの地下にあるリリスという存在の中から無数のエネルギーがあることが分かったのだ。セカンドインパクトの前にアダムのエネルギーを全て抜き取っておいたから予想されていたセカンドインパクトより強力なものにはならなかったがな」

「ん〜、じゃぁリリスのエネルギーは?」

「無論まだ体内に残っている」

「まぁ、人類補完計画が中止になる以上リリスの体内にあるエネルギーは極秘に抜き取ることしよう」

「あ、あと俺の家はなるべくミサトさんとは一緒にしないでください」

「何故なんだ?」

「ミサトさんの家は・・・・・あれは人の住む家じゃないし・・・・・それに・・・・」

「それに・・・なんだ?」

「それに辛いんだ・・・・ミサトさんは前の世界で最後戦略自衛隊が攻め込んできたとき命を懸けてまで俺のことを守ってくれた。それなのに俺は・・・!!」

冬月とゲンドウは黙ってシンジの言葉を聞いていた。

「俺は、魂の抜け殻のように座り込んで何もしなかった・・・いいや、すべてのことから逃げた自分で死ぬことまで考えていた。だけどそんな俺をミサトさんは!!」

「守ってくれたんだ・・・・・」

シンジの目には涙が溢れていた。

「そのときミサトさんが言ったんだ『出来るだけのことやって、それから死になさい!!』って」

「それから俺は初号機がある第七ケイジに向かったがそこにはベークライトで固められ搭乗できなくなっていた初号機だった。だけど初号機は四度目の暴走を起こした」

「俺はその初号機に搭乗した・・・・・それからはよく覚えてない・・・・・」

「そうかでは」

そう言うとゲンドウは手元にあった電話をとり、

「ああ、私だ。予定通りサードチルドレンはIMPULSEのパイロットとして登録しておけ、家は葛城一尉のマンションの7階の赤木一尉の部屋の隣にでもしておけ」

「あと、パソコンを三台MAGIに接続可能のやつにしといてくれ」

ゲンドウは電話と切った。それを見たシンジは背を向け

「俺はこれで・・・・」

「シンジ、待て」

「何、父さっ・・・・?」

ゲンドウが何かを投げて遣した。それは水色のペンダントで中には写真が一枚入っていた。

「こ、これは・・・・?」

その写真の碇ユイと碇ゲンドウと碇シンジが仲良く映っていた写真だった。

「と、父さん・・・母さんが映ってる写真は一枚もないんじゃ・・・」

「それだけは残しておいた・・・家族三人仲良く映っている写真だからな」

「父さん・・・・」

シンは溜めていた涙を一筋流し

「ありがとう」

シンジが父に初めて感謝した瞬間だった。

「私は父親らしいことを今までしてやれなかった。だからせめてこれだけでも・・・・・・」

シンジは頷き、司令室を出て行った。



次回予告

新たな世界・・・・・・。

新たな生活・・・・・・。

新たな学校・・・・・・。

だが、そこでシンジが見たものとは!!

次回第四話新世界、新生活、新学校生活!?

新たなる世界を切り開けリュウト