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lightning


PHASEー08 父親


−インビシブル−
戦闘が終わりインビシブルにはもとの静けさが戻った。
ラーは疲れた顔一つしないままルゥが乗っているであるシャイニング・バードから切り離されたコア・ファイターのコクピットに向かった。
「ルゥ!!」
ラーは誰も開けないコクピットを開けラーがつけているパイロットスーツのヘルメットを取った。
「ルゥ!大丈夫か!?」
ラーが心配して顔を覗き込むがすぐに安堵の表情を浮かべた。
「なんだ……気を失ってるだけか」
「どうした!?ラー君!?」
下にいる整備士長のケイル・マラスウがラーに話しかけてきた。
ラーは上から『なんでもありません!』と言うとルゥを起こしにかかった。
「ルゥ……おい、ルゥ!起きろ!」
するとルゥはまぶたをぴくぴくさせて目を開けた。
「あれ……私……!!戦闘は!?」
「ああ、終わったよ…全員無事だ…」
「そう、良かった……」
ラーは小さくルゥには聞こえない程度で呟いた。
「ルゥのおかげだよ」
と。
二人は制服に着替えるためにロッカールームへと向かった。


−コークス隊母艦『フレアリット』−
レクは艦長室へと向かっていた。
理由はサファイアに呼び出されたからだ。
レクは扉の前まで来ると『失礼します』といい中に入った。
中ではサファイアがさっきの戦闘のデータを見ていた。
丁度レクの青いジンの足がライトイングに切られるシーンだった。
「ちっ!」
レクは舌打ちした。
それを感じ取ったサファイアは
「まさかこんなMSがあったとはな……気にするなお前が弱かったんじゃない。あのMSの性能がよかったから負けたんだ」
「はい……」
レクはこのときはいと答えたが心の中では気にしないなんてことはできなかった。
ザフトのエリートである赤服が地球軍の試作型MSに負けるなんて恥ずかしいことこの上ない。
なおかつ両足を持っていかれたのだからなお屈辱的だ。
「ところでクリスはどうした?」
「分かりません。強襲作戦のときやむおえず離れ離れになってしまって…」
「まだ、アルジローレにいるのだろうか?」
「ですが……アルジローレ内で一機のジンが倒されるところをかすかに目撃しました。おそらく捕虜になっているのかと…」
「そうか…まあ、いずれにせよあの艦を移動不能にすれば済むことだろう」
「はい」
サファイアは頷くとレクに『急がしい中済まなかった』と言い画面に目を戻した。
それを見たレクは艦長室を出て行った。


−インビシブル−
ラーは待機室で着替えてくるルゥを待っていた。
「ルゥのやつ遅いな……」
ぼやいている。
「着替えだけで何分かかってるんだよ……」
「そういえばあのときも遅いなってぼやいていたっけ・・・」
ラーは急に話しかけられて思わず高い声を出した。
「な、なによ?」
「どうかしたの?」
ラーに話しかけたのはネーマルとフィールであった。
ラーはその二人の美少女を十秒ほど見つめていたが我に返り
「な、なんでこんなところに?」
「戦闘配置が警戒態勢に移行したからあなたたちの様子を見に来たの」
ネーマルがラーの問いに的確に答える。フィールはラーの隣に座りラーに軽く寄り添った。
「ねえ、ところでルゥは?」
「た、たぶん、まだ着替えてると思う」
「そうなの?遅すぎない?・・・姉さん見てきてよ」
「分かったわ」
ネーマルは女性更衣室へと向かう。
それを見たフィールはチャンスを言わんばかりにラーに近寄った。
だが、その分だけラーは少し横に移動する。
「なんで逃げるの?」
「いや、逃げるとかそういうことじゃなくて・・・なんで僕に近寄るの?」
「それは・・・・・・面白そうだから?」
「なんで疑問系なんだ・・・・・・・」
「いいじゃない、いろいろ聞きたいこともあったし」
「?」
「さっきあのときって言ってたじゃない?あのときっていつ?」
「・・・・僕はあのコロニーアルジローレに住んでいたんだ。やっぱり、軍人を一応目指しているから工業学校に通っていて・・・もちろんルゥも」
「それで?」
「それでいつも一緒に通って一緒に授業を受けて一緒に飯を食べて一緒に帰宅して・・・そんな生活が一生続くのかと思った」
「・・・・・」
「だけど・・・運命は僕を戦場に向かわせた。知将ドゥメイン・ハルバートンの息子っていうのは肩書きだけで全然戦争っていうのは初めてなんだよ。見てくれさっきはルゥのことで頭がいっぱいだったから気づかなかったけど手が震えてるだろ?」
ラーの左右の手は小刻みに震えていた。
抑えようとしても抑えられない戦闘への恐怖。
死と隣あわせだ。
そのときフィールがラーの手を包んだ。
「な、何?」
「震えてるんだったら握り合えば収まるかなって・・・」
「そっか・・・」
ラーの手の振るえは確かに収まっていた。
「暖かいな・・・フィールの手・・・」
「そ、そう?」
「うん・・・なんか落ち着く・・・」
フィールは顔を赤くしそっと手を離した。
そしてそっぽを向いた。
「ど、どうしたの?」
「な、なんでもないわよ・・・」
「おまたせ」
「いつまで待たせるんだよ…」
「ごめん、ちょっと手間取っちゃって……」
そして二人で食堂へと向かう。


一方ここは艦長室である。
「やっぱり、大気圏突入は避けられないわよね」
ここには艦長のマイとエラルドがいた。
なぜか副長のネーマルはいなかった。
「あれ、ネーマル・シーズ大尉は?」
「さあ?」
「さあってあの人副艦長でしょ?呼ばなくていいのか?」
「呼んだけどこないのよ…それより大気圏突入は避けられないわよね?」
「ああ、このまま月に行こうとしても無理な話だぜ。月基地にいくとなると十回ぐらいザフト軍とぶつかる」
「このままの物資と戦力で避けられないわよね?」
「ねずみが象を相手にするようなものだ」
インビシブルの戦力はライトニングと二機のMAのみ。
そしてライトニングのパイロットは素人である民間人のラー・ハルバートン。
対するザフト軍は精鋭ぞろいのジンとシグーが何十機も…。
これで勝ったら神である。
「やっぱり大気圏突入してそのままアラスカ基地かパナマに下りるしかないな……」
「それしかないか……」
「大丈夫か?顔が疲れてるって顔してるぞ…」
「大丈夫よ……この後少し休むから……」
「そうか……」
エラルドは絶対休まないという変な自信がわいていた。


「でも、なんでアルジローレに住んでたの?あなたドゥメイン・ハルバートンの息子でしょ?」
ネーマルはどこかに行くところがあるといい違うところにいった。
ラーとルゥ、フィールは食堂に向かった。
そして一緒に飯を食べることになったのである。
「アルジローレって地球軍の軍事コロニーなんだ。だから父さんは安全だって言って僕を住まわしたんだ」
「ふ〜ん…確かにアルジローレにいたら安全そうよね」
「実際十年間ぐらいは安全だったよ。もっともこの前は強襲があったけどね…」
「あのあとアルジローレは無事なのかしら?」
ルゥが事情を知っているであろうフィールに聞いた。
「姉さんの話では被害は少なくないけど一応無事らしいわ」
「そうか…良かった」
「あ、いたいた!」
いきなり食堂に大声を出しながらネーマル・シーズが入ってきた。
「姉さんどうしたの?」
「ああ、ちょっとラー君に用があって」
「ぼ、僕に?」
「ええ、そうよ。さっき第八艦隊から連絡が入って丁度インビシブルと同じ方向なの。だから少し補給を受けられるのよ」
「そうですか……でも、なんで僕に用があるって?その情報なら艦長とかに報告したほうがいいんじゃないんですか?」
「それは…第八艦隊の旗艦はメネラオス…ハルバートン提督が乗っているのよ」
「父さんが!?」
「ええ…だから話したんだけど……」
「あいがとうございます!」


第八艦隊は二日でインビシブルに接触した。
そして少ない時間で無理を言ってラーは父であるドゥメインに会わせてもらった。
「父さん、お久しぶりです」
「ああ、ラーか。久しぶりだな」
二人は握手を交わす。
「どうだ?MSの訓練は?」
「なかなかうまくいかないことも多くて…」
「はじめのうちはそうだろう…私もそうだった…」
「えっ?父さんも」
「ああ、そうさ。はじめから提督になんてなれないからな…」
「父さんが命令させられている姿はあまり想像できないよ」
「そうか?……とにかく時間がないので手短に言うぞ」
「お前が一人戦争に加わったって戦争は終わらない。戦争を終わらせるには全滅させるか停戦するしかない…」
「お前にはそれができるか?」
ラーは一瞬考え込む。
だがすぐに
「分かりません、ですが僕の名前は太陽神です。この時代コズミック・イラの太陽になれるかは分かりませんが戦争を終結させたいです」
「そうか…それを聞けて安心した…じゃあ、また戦争が終わったらな…」
「はい」
それっきりラーとドゥメインは分かれた。
この別れは最後の別れになるともしらずに…。


予告
父の言葉に苦悩するラー。
地球を目指すインビシブル。
それを執拗に追うフレアリット。
戦闘は続く。
次回 PHASE−09 苦悩