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darkness


PHASEー02 命の灯


赤いリョウ専用のジンと紫家色のミラード専用シグーはセラフィートに帰艦していた。

ミラードとリョウは今は軍服に着替えてブリッジにいた。

「状況はどうなっている?」

その声に気づいたミーナがこっちを向く。

「静かなものです。連合は完全に撤退していったようです」

「そうか・・ありがとう」

「いえ」

そして指揮官用の席に腰を下ろすとリョウが寄ってくる。

「なあ、ミラード」

「ん?なんだリョウ?」

「少し休んでていいだろ?地球軍も撤退したようだし」

「ああ、いいぞ、だが、いつでも発進できるように機体の整備ぐらいしとけよ」

「へいへい」

そう言うと敬礼を一回したあとリョウは自分の部屋に戻っていった。

「まったくあいつのいい加減さも困ったもんだ」

そう言うと艦長の席に坐っていたミーナがミラードに近づく。

「でも、そんな彼を信頼してるのでしょう?隊長は」

「ミラードでいいって言っただろう。それに君の方が年が上なんだから。まあ、確かに信頼してるけど」

「は、はぁ」

そのあとしばらくブリッジにミラードは居たが特にいる必要もなかったためとりあえずミラードは自分の部屋に戻ることにした。



隊長室

ミラードは部屋に入ってすぐ机の引き出しに入っているカプセルを取り出してそれを二粒飲む。

「はあ、俺の命もあと何年かな・・・」

彼はこの薬がないと生命を維持できない体になっている。

この事実はあまり知られていなく、彼がフェイスということもありプラントの医療を全て使いこの薬が完成した。

それ以来は彼は時々プラントに赴いてこの薬を貰っている。

そのとき机に設置されている無線が鳴った。

それは艦長であるミーナからだった。

『隊長、お休みしているところ申し訳ありません』

「いや、いい。どうした?」

『それが本国からミズキ隊は本国に戻れとのことです』

「う〜ん・・・・何のためっていうのはわかるか?」

『それが命令書には・・・“ミラード・ミズキは本日10:00に本国に出頭せよ”としか・・・』

「はあ、分かった。プラントに着いたら教えてくれ」

『分かりました』

そう聞こえると無線が切れる。

その音を聞くとミラードは白い軍服を脱ぐとシャワーを浴びた。

指揮官クラスの部屋にはシャワーはもちろん、簡易的なキッチンのようなものもある。

かなり豪華である。

そして浴び終わったとはいつものシャツを着てベッドに横になった。



―アルテミス―

ここはユーラシア連邦の軍事要塞『アルテミス』

他からは傘のアルテミスと呼ばれている。

その理由は光波防御体と呼ばれるバリアのようなものが設置されていてレーザーも通さないという。

ここに先ほどのメビウス<ゼロ>が帰還していた。

「第六機動軍所属、イツキ・フルーラ出頭しました」

灰色の軍服に身を包んだ女性が敬礼した。

外見から見ると歳は17ぐらいだろうか。

「ああ、君がゼロ部隊の生き残りのフルーラ大尉か・・・話は聞いているよ」

ここの司令と思われる少し大柄の男性ビダンフ大佐が言った。

「月まで戻りたいということだが・・」

「はっ!」

「月の地球軍基地からの命令書によると君は早く月基地に戻ってきて欲しいとのことだ」

「はい」

「一人でも多くのエースパイロットが欲しいということらしい」

「分かりました」

「まあ、それまで部屋や食糧などは確保してやるさ」

「はっ、ありがとうございます!」

そう言って一回敬礼するとイツキはその司令室から出て行った。



―プラント―

プラントにセラフィートは帰還していた。

そしてミラードは一人議長がいる部屋へ向かった。

「やぁ、ミラード君。久しぶりだね」

「はい、クライン議長閣下」

ミラードは一回敬礼する。

それを見たクライン議長と呼ばれた、いかにも優しそうな男性が立ってミラードに手を差し伸べた。

ミラードがそれが握手だと分かると握り返す。

「君を呼び出したのは君に二つほど命令が出ていたのでな」

彼は現プラント最高評議会議長である『シーゲル・クライン』である。

「まあ、そんなことは明日でいいだろう。私も一つ用事が入っていてね」

「はい、分かりました。では」

ミラードは再び敬礼すると出て行った。



ミラードはセラフィートへと戻っていた。

「あら、隊長。プラントではどうでしたか?」

「ああ。一応議長に呼ばれたんだが何か一つ用事が入って明日にしてくれとのことだ」

「は、はあ」

「とりあえず、艦のクルー全員に休暇を与えてくれ。三日ぐらいは休暇をくれるとユウキ隊長が言っていたからな」

ユウキ隊長とは評議会にも顔を出している、隊長の中の隊長のような人だ。

「そうですか」

するとミーナはマイクを開き

『艦クルー全員に告ぐ。これから三日間は休暇を与える。以上』

それが終わるとミラードはブリッジを出ようとしている。

「どこにいかれるのですか?」

「いいや、ただ、ちょっとプラントの様子でも見てこようかと思って・・・。君も休んでくれ」

「はあ、しかし、私は艦長なので」

「大事なときに艦長が疲労で倒れたら困るからな。命令だ!」

「分かりました」



ミラードは私服に着替えてプラントの内部に来ていた。

ちなみに私服は黒いコートに黒いズボンで黒尽くしって感じの服装だ。

「ここは、まだ平和だな・・・。良かった」

ミラードの前には緑が生い茂り日の光を浴びてまぶしいぐらいに光っていた。

「俺は何を望んで、何をするのだろう」

ポケットに入っているカプセルを少しの力だけ握り締める。

「ったくお前はこんなところで何やってんのかね〜?」

ミラードは瞬時に振り向くとそこにはリョウの姿があった。

いつもの軍服とは違って結構ラフな格好だった。

緑色のパーカーに黒色のジーパンをはいている。

「つけてくるとは・・・いい趣味じゃないぞ」

「違う、違う。昼飯食ったあとたまたま見つけたからな」

「そうか」結局はつけてきたのである。

あたりに沈黙が走る。

リョウはふとミラードの手元を見る。そこには何度か見たことのあるカプセルがあった。

「なあ、前から聞こうと思ってたけど・・・」

「これか?」

ミラードはリョウが言う前に気づいた。

ミラードは少しだけカプセルをリョウに見せるようなそぶりをした。

「そうそう、それ。何のために服用してるんだ?」

「これは・・・持病の侵攻を遅くするための薬だ」

「服用してて何年ぐらい生きられるんだ?」

「医師の話では60年ぐらいって言っていたが・・・本当は何年生きられるのかは分からない」

「まあ、60年っつたらもう軍やめてるだろ?」

「当たり前だ」

ミラードはそれを一言言うとリョウの返答を待たずに来た道と同じ道を歩きどこかへ消え去った。

「お前はいつもそうだよな。人の返答を待たずに自分で納得してしまう」

リョウは振り向き

「悪い癖だぜ。隊長」

リョウの長い短いのか分からないぐらいの髪の毛が夕日の少し冷たい風になびいていた。



次回予告

シーゲル・クラインに呼び出されたミラード。

そしてミラードを待っていたのは二人の新たな隊員と

歌姫だった・・・。

次回、機動戦士ガンダムSEED DARKNESS

第参話、歌姫との対面