darkness


PHASE−04 影と出航


ミラードがラクスと出会った翌日ミズキ隊に命令が届いた。

「隊長、本国より命令です」

「うん、なんだって?」

「それがミズキ隊はL3にあるヘリオポリスに向かえとのことです」

「そうか・・・分かった。あの二人を呼び出してくれ、まだ紹介がまだだったな」

「はい」

するとミーナは無線であの二人をブリッジに呼び出した。

「あの二人って誰だ?」

ミラードの隣に立っていたリョウが言った。

「この隊に新しく配属になったパイロット二人で赤服だ」

「えっ!?いつのまに!?」

「正式には今日の午後届くはずだ。届いたら俺の部屋までまわしといてくれ」

「へいへい、いつも俺はそんな役だよな〜」

「ぼやくな、副隊長のくせに・・・」

そのときブリッジに赤服を着た二人の少年少女が入ってくる。

先日ミラードが議長室で見た二人だった。

少年の方から自己紹介をした。

「クラトス・ハーケンといいます。よろしくおねがいします」

次に少女が

「リィナ・マーリンです。よろしくおねがいします!」

ミラードは二人の自己紹介が終わるとミーナとリョウに自己紹介するように促した。

「俺は副隊長のリョウ・マサムネだ。よろしく」

「私はこのセラフィートの艦長を勤めさせていただいているミーナ・フルウェルトです。よろしく」

それぞれ握手した。

「とりあえず皆自由にしてていいぞ」

するとリョウとクラトスとリィナは自分の部屋へと戻った。

ミーナは艦長の席に座った。

「隊長はどうされるんですか?」

「ん?・・・・ちょっと議長にまた呼ばれたからな。なんでも渡したいものがあるらしい」

「はっ!お気をつけて」

ミーナが敬礼する。

ミラードは少しため息交じりに敬礼するとプラントへ通じる通路からプラントへ向かった。





「何回も呼び出してすまないね」

「いえ、そんなことは」

シーゲルとミラードが向かったそこは軍の格納庫だった。

「格納庫に一体何の用が?」

「まあ、みていれば分かる」

そこにはモビルスーツが一機ぐらい入るくらいのスペースがあった。

それと真っ暗だった。

シーゲルが指をパチンと鳴らすと明かりがともりそこには一機のモビルスーツがあった。

「こ、これは!?」

「驚いたかね?・・・これはクルーゼ隊が持ち帰った地球軍の新型機動兵器のデータをもとに緊急で作り上げた」

そこでシーゲルは一旦言葉を切った。しかし、またしゃべりだした。

「ZGMF−X05A SYADOW」

「シャドウ・・・」

「新たにフェイズシフト装甲を採用している期待でね。君にこれを託す」

「俺にですか?」

「ああ、そうだ。君ならうまく使ってくれると思ってね」

「・・・・・分かりました」

そのとき違う士官がシーゲルに近づいてきた。どうやら何かを伝えているようだ。

しばらく話して士官はミラードを見た。

ミラードもその視線に気づき士官を見た。

「ミズキ隊は君が戻ってくるのを待っているようだ、どうする出航時間は少し過ぎているようだが」

「先に発進していろ、と伝えてください。俺はシャドウで出ます」

「分かった、そう伝える」

そう言うと仕官は去っていきシーゲルも

「では、また次の機会に」

「はい」

ミラードはシーゲルが格納庫から出て行くのを見ると自分もパイロットスーツに着替えてシャドウのコクピットに入った。

フェイズシフトの電源を入れると目と見られる部分に光がともる。

そしてシャドウにつながれていた様々なコードがどんどん抜かれていく。

灰色だった色は黒と紫を貴重とした色に変わった。

その機体は皮肉なことに先日奪取に失敗したストライクと瓜二つの機体だった。

後ろにはエールストライカーに似た『アラエラーフォルム』と呼ばれる飛行と機動力を重視したバックパックが取り付けられている。

このシャドウには換装タイプで三つのフォルムと呼ばれているものをつけることができ、戦闘の状況に応じて変えることができる。

そしてシャドウの上にある天井が開いて最終的に射出台になる。

赤いランプが緑に変わる。



「ミラード・ミズキ・・・・シャドウ、発進する!」



シャドウは勢いよくジャンプするようにバーニアをふかして射出台から飛び立った。

そして先に発進していたセラフィートと合流し回収ハッチからセラフィートの中に入った。





次回予告

新たなる力シャドウを手に入れたミラード

だが、次に彼に与えられた任務は強奪事件で起こったヘリオポリス崩壊事件で被害にあったコーディネイターの救助だった。

しかし、ミラードたちの行く手を阻む者たちが現れた・・・。

次回、機動戦士ガンダムSEED DARKNESS

第五話 任務と賊軍